ラグタイムの作曲作詞家ヘンリー・ウィリアムとエグバート・フォン・アリスタインのコンビの作品。1905年のチャートでは1、2位となる大ヒット曲でした。
現在では楽しい曲と知られているこの歌詞を読んでいただくと分かりますが。嘗て愛した亡くなった人への追慕を歌っているのです。つまり林檎の木の下にあるのは愛した人のお墓ということです。しかし他人はどの様に感じるかは人によりますが、自分の愛した人は心の中に生き続けているもの、だからこそ人は墓に詣で花を捧げ亡き人を偲んで語りかけるという唄です。
アメリかでこの曲が作られたのは日本では日露戦争中でした。昭和12年(1937)にディック・ミネが、この曲の明るい部分だけを切り取ってレコードに吹き込みました。このころダンスが盛んになり、ダンスホールではジャズやタンゴ、ブルースなどの洋楽が盛んに演奏されていて、レコードが発売されるとこの曲はダンスホールの人気ナンバーになりました。アメリカでも日本をまねるようになりました。1939年公開の映画『オズの魔法使い』で、ドロシーがリンゴの実を摘もうする場面にこの曲が流れています。
昭和15年(1940)にダンスホールが閉鎖され、ジャズが「敵性音楽」として禁止されると、表立って歌われることはなくなりました。戦後、ディック・ミネ自身や、進駐軍のキャンプ回りをする歌手たちによって、再び歌われるようになりました。
引用 二木絃三のうた物語 http://duarbo.air-nifty.com/songs/