◆流行歌1935/S10~S14

青い背広で 昭12

「東京ラプソディー」のコンビ、古賀政男と藤山一郎のヒット曲。暗い時代にも関わらずお洒落して街へ出ようというポップソング。あえて背広を色ものにしたセンスは、戦後日本に訪れるお洒落な消費文化を先取りするものでした。

ただし、あくまでも主役は男性で恋人の女性は「フランス人形」としてしか描かれていません。女性が主役となるような恋の歌は戦後しばらくしてやっと現れることになります。

元々この曲のイメージはある時、この曲を歌うことになるお洒落で有名だった藤山一郎がダーク・グリーンの背広を着ているのを見た作詞家の佐藤が色モノの背広に感心して、曲にしてみようと思いついたことで生まれました。

ゴロの問題から青い背広になったものの、当時は色モノの背広は今のラメのスーツ並みに珍しかったはずです。暗い時代ではあっても、「青い背広」に憧れるお洒落に対する欲求は人々の心にあったことの証明なのでしょう。

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