、1952年のフランスのドラマ映画。 監督はルネ・クレマン、出演はブリジット・フォッセーとジョルジュ・プージュリー(フランス語版)など。 フランソワ・ボワイエ(フランス語版)の小説『Les Jeux inconnus』を原作とし、戦争で孤児となった5歳のフランス人少女の運命を描いた映画である[1]。アカデミー賞名誉賞(後の外国語映画賞に当たる)、ヴェネツィア国際映画祭サン・マルコ金獅子賞などを受賞した。撮影の予算オーバーによりオーケストラを組むことが出来ず[要出典]、劇伴は全編を通してナルシソ・イエペスがギター一本で演奏した。これにより「愛のロマンス」が世に出ることとなった。
この曲を聴くとラストシーンが必ず浮かんできます。母を子の絆を無慈悲に引き裂く残酷な戦争。禁じられた遊びをしているのは大人でないのか・・。いろんな思いがよぎるラストシーン。そんなラストシーンがヨーロッパ映画に多いと思います。
わくわく CINEMA PARADISE 映画評論家・高澤瑛一のシネマ・エッセイ~わくわく CINEMA PARADISEからの引用です。
避難民でごったがえす駅の一角。孤児院に連れて行かれるため、服に名札をつけられた少女ポーレット。突然、彼女の耳に「ミシェル!」という声が聞こえる。仲良しだった少年の名だ。彼女は、同行する尼僧から離れて、ミシェルの姿を捜す。その時、雑踏の中で、ちらとよぎる母の面影。「ミシェル!」と呼ぶポーレットの声が、いつしか「ママン!」という叫びに変わる。今はこの世にいない母の姿を求めて、人々の間をさまよい歩くポーレット…。
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ルネ・クレマン監督「禁じられた遊び」のラストシーンである。1940年6月の南フランス。ドイツ軍から逃れて田舎道を急ぐ避難民の一群に、ナチスの爆撃機が襲いかかる。5歳の少女ポーレット(ブリジット・フォッセー)は機銃掃射で両親を殺され、死んだ子犬を抱えて田舎道をさまよう。そんな彼女を見つけたのが、農民ドレ家の末息子で11歳のミシェル(ジョルジュ・プージュリー)。ポーレットはドレ家に引き取られ、ミシェルと死んだ子犬を埋めて十字架を立ててやる。やがて、ふたりは虫や動物を埋めて十字架を立てるという秘密の遊びを始める。それがエスカレートし、ミシェルは教会の十字架を盗もうとして、ひと騒動を起こす。やがてドレ家に憲兵が現れ、ポーレットは孤児院に送られることになる。
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映画の冒頭、自分をかばって死んで動かなくなった両親の顔を撫でたあと、死の意味もわからないまま、さまようポーレット。彼女は、ラストでも群衆のなかで母の名前を呼びながらさまよう。映画は、そうした少女の姿を通して戦争の悲惨さを訴えた。そして、ポーレットとミシェルが興じる十字架遊び。クレマンは、子供たちの無邪気な行為に、第2次世界大戦で亡くなった数限りない兵士や民衆に対する鎮魂の心をこめたかったようである。戦争や紛争の犠牲になるのは、常に幼い子供たちであることは、今日でも変わりがない。